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    代々、母から娘へと三つの儀式が受け継がれていたある家系にまつわる話。
    まずはその家系について説明します。

    その家系では娘は母の「所有物」とされ、娘を「材料」として扱うある儀式が行われていました。
    母親は二人または三人の女子を産み、その内の一人を「材料」に選びます。
    (男子が生まれる可能性もあるはずですが、その場合どうしていたのかはわかりません)

    選んだ娘には二つの名前を付け、一方は母親だけが知る本当の名として生涯隠し通されます。
    万が一知られた時の事も考え、本来その字が持つものとは全く違う読み方が当てられるため、字が分かったとしても読み方は絶対に母親しか知り得ません。

    母親と娘の二人きりだったとしても、決して隠し名で呼ぶ事はありませんでした。
    忌み名に似たものかも知れませんが、「母の所有物」であることを強調・証明するためにしていたそうです。

    また、隠し名を付けた日に必ず鏡台を用意し、娘の10、13、16歳の誕生日以外には絶対にその鏡台を娘に見せないという決まりもありました。
    これも、来たるべき日のための下準備でした。


    本当の名を誰にも呼ばれることのないまま、「材料」としての価値を上げるため、幼少時から母親の「教育」が始まります。
    (選ばれなかった方の娘はごく普通に育てられていきます)

    例えば…

    ・猫、もしくは犬の顔をバラバラに切り分けさせる

    ・しっぽだけ残した胴体を飼う
    (娘の周囲の者が全員、これを生きているものとして扱い、娘にそれが真実であると刷り込ませていったそうです)

    ・猫の耳と髭を使った呪術を教え、その呪術で鼠を殺す

    ・蜘蛛を細かく解体させ、元の形に組み直させる

    ・糞尿を食事に(自分や他人のもの)など。

    全容はとても書けないのでほんの一部ですが、どれもこれも聞いただけで吐き気をもよおしてしまうようなものばかりでした。

    中でも動物や虫、特に猫に関するものが全体の3分の1ぐらいだったのですが、これは理由があります。


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    私達は唯一の出入口であるガラス戸の前にいたので、外に出たという事はありえません。
    広めといえど居間と台所は一目で見渡せます。
    その場にいるはずのD妹がいないのです。

    「〇〇!?どこ!?返事しなさい!!」

    D子が必死に声を出しますが返事はありません。

    「おい、もしかして上に行ったんじゃ…」

    その一言に全員が廊下を見据えました。

    「やだ!なんで!?何やってんのあの子!?」

    D子が涙目になりながら叫びます。

    「落ち着けよ!とにかく二階に行くぞ!」

    さすがに怖いなどと言ってる場合でもなく、すぐに廊下に出て階段を駆け上がっていきました。


    「おーい、〇〇ちゃん?」

    「〇〇!いい加減にしてよ!出てきなさい!」

    みなD妹へ呼び掛けながら階段を進みますが、返事はありません。

    階段を上り終えると、部屋が二つありました。
    どちらもドアは閉まっています。

    まずすぐ正面のドアを開けました。
    その部屋は外から見たときに窓があった部屋です。
    中にはやはり何もなく、D妹の姿もありません。

    「あっちだな」

    私達はもう一方のドアに近付き、ゆっくりとドアを開けました。

    D妹はいました。
    ただ、私達は言葉も出せずその場で固まりました。

    その部屋の中央には、下にあるのと全く同じものがあったのです。
    鏡台とその真前に立てられた棒、そしてそれにかかった長い後ろ髪。
    異様な恐怖に包まれ、全員茫然と立ち尽くしたまま動けませんでした。


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    5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:投稿日2010/05/20(木) 19:47:25.78 ID:ov/eBcz0P

    私の故郷に伝わっていた「禁后」というものにまつわる話です。
    どう読むのかは最後までわかりませんでしたが、私たちの間では「パンドラ」と呼ばれていました。

    私が生まれ育った町は静かでのどかな田舎町でした。
    目立った遊び場などもない寂れた町だったのですが、一つだけとても目を引くものがありました。
    町の外れ、たんぼが延々と続く道にぽつんと建っている一軒の空き家です。

    長らく誰も住んでいなかったようでかなりボロく、古くさい田舎町の中でも一際古さを感じさせるような家でした。
    それだけなら単なる古い空き家...で終わりなのですが、目を引く理由がありました。

    一つは両親など町の大人達の過剰な反応。
    その空き家の話をしようとするだけで厳しく叱られ、時にはひっぱたかれてまで怒られることもあったぐらいです。
    どの家の子供も同じで、私もそうでした。

    もう一つは、その空き家にはなぜか玄関が無かったということ。
    窓やガラス戸はあったのですが、出入口となる玄関が無かったのです。
    以前に誰かが住んでいたとしたら、どうやって出入りしていたのか?
    わざわざ窓やガラス戸から出入りしてたのか?

    そういった謎めいた要素が興味をそそり、いつからか勝手に付けられた「パンドラ」という呼び名も相まって、当時の子供達の一番の話題になっていました。
    (この時点では「禁后」というものについてまだ何も知りません。)

    私を含め大半の子は何があるのか調べてやる!

    と探索を試みようとしていましたが普段その話をしただけでも親達があんなに怒るというのが身に染みていたため、なかなか実践できずにいました。

    場所自体は子供だけでも難なく行けるし、人目もありません。
    たぶん、みんな一度は空き家の目の前まで来てみたことがあったと思います。
    しばらくはそれで雰囲気を楽しみ、何事もなく過ごしていました。

    私が中学にあがってから何ヵ月か経った頃、ある男子がパンドラの話に興味を持ち、ぜひ見てみたいと言いだしました。
    名前はAとします。


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