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213 : その4[sage] : 2009/12/27(日) 23:07:45 ID:7jwJJ7JM0
映画にもなり、近年リメイクもされたのでご存知の人も多いと思うが、上記でも書いた様に、 
「柳の枝や干し草で作った編み細工の人形を作り、その中に生きたまま人間を閉じ込めて、火をつけて焼き殺し、神に捧げる」 
と言うおぞましい秘儀が、古代ドルイドの祭儀であるのだ。 
それを英語では「ウィッカーマン(wicker man)」、編み細工(wick)で出来た人型の構造物、と言うらしい。 

「彼女を不安がらせない様にその事や鍵の事も秘密にし、俺だけ起きてる事にしたよ。全部の内鍵開けてな。そしたら、夜中だよ」 
砂利を踏む音と、人の気配が別荘の外でした。すかさず窓を開ける。例のお隣の夫婦の旦那だった。 
「何をなさってるんですか?」 
叔父に急に見つかり、厳しい声を投げかけられた旦那は、驚愕の表情でしどろもどろだったと言う。 
「いや、その…大丈夫かなと…」 
「大丈夫じゃなないですよ。その缶は何です?灯油の缶じゃないんですか?」 
「い…いや…ストーブの灯油を切らしちゃいかんと思ってね…」 
「暖炉がありますよね?」 
「いや…まぁ」 

叔父は、外鍵の事を厳しく追及した。旦那が弁解するには、この別荘も人から譲り受けたモノで、外鍵はその当時からついていたらしい。 

「信じるわけないわな。そんな気味の悪い家で誰が泊まりたがる?」 
叔父はまったく旦那の言う事は信用しなかった。
外の騒ぎで、寝ていた彼女も置きだし、不安そうな顔を覗かせていた。
 
「○○さん(旦那)…あんた、ドルイドの何かやってるんじゃないでしょうね」 
「は…? 何ですかそれは」 
「とぼけたって良いんですよ?裏の森のクヌギ。良い薪になりそうだなぁ」 
「な…何を言うんですか!!」 
「あんた、俺らをウィッカーマンにして、捧げようとしたんじゃないのかっ!!」 
「…」 
本当の事を言わないのなら、クヌギを切り倒す、と脅した叔父に対し、旦那は全てを話し始めた。

214 : その4、前記はその3[sage] : 2009/12/27(日) 23:08:32 ID:7jwJJ7JM0
前にも述べた通り、この夫婦には重い病気の息子がいる。治療法は、病の進行を遅らせる、強い副作用のある方法しかない。 
あらゆる方法を試したが、病は一向に癒える気配は無かった。そんな藁にも縋る思いも極まった時の事。 

15年前、仕事先で訪れたウェールズのある村で、ドルイドの呪術師に出会ったと言う。 
そのドルイドの呪力が篭ったオークの木の苗を、大枚叩いて旦那は買い、日本へ持ち帰った。 
そのドルイドから授けられた秘術は、毎月6日に、白い衣装を見に付けオークの木に登り、 
ドルイドから譲り受けた(これも大枚叩いて買ったらしい)鎌でオークに寄生しているヤドリギの枝を切り取り、「生贄」をオークの木に捧げる、と言うものらしい。
その祭儀の見返りの願いは言うまでも無く、息子の病を治す事、だ。
 
「確かに、その日は1月6日だったなぁ…」 
「生贄って…」 
俺は恐る恐る叔父に聞いた。 
「最初は、小動物とかだったらしいよ。ハムスターとか、野良猫とか、犬とかな。クヌギの木の根元に埋めて。 
心なしか、大きな動物になればなる程、息子の病が(良くなっている様な気がした)らしい。 
まぁ、そのドルイドに1杯食わされたんだろうけどな。でも病気の子供を持つ、悲しい親の愛とは言えども、あんまりじゃないか?俺らを焼き殺そうとするなんて」 

叔父は笑いながら言った。それから、懇々とその旦那を説き伏せたらしい。 
人を呪わば穴二つ。そんな事をしても、何も良い事はない。オカルト方面に詳しい叔父だけに、 
様々な知識も動員して、旦那を説き伏せた。 

「50にもなろうかと言うオッサンが、声上げて泣いてたなぁ。まぁ、俺らも殺されそうにはなったとは言え、
その旦那の気持ちも分からんでもないからなぁ。同情心もあって。彼女も少しもらい泣きしてたかな。 
旦那も、クヌギも別荘も処分する事を約束してくれてな。明日にでも、特にクヌギの処分は俺ら同伴で」 

「じゃあ、この件は、警察沙汰にもならずに一件落着、と」 

「ところがなぁ。あのオークは(本物)だったんだなぁ」


引用元:https://5ch.net/