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679:1/3 :2009/07/25(土)23:35:14ID:oIwaIgZdO
これは私の父が体験した一昨年の夏の話。

父はスポーツ少年団でバレーボールの指導をしている。夏は1泊2日の合宿があり、その年は父兄が山の温泉にある施設を手配してくれた。

父や子供達は併設されたの体育館で練習に励み、明日の練習に備えて早めに床についた。

父が通されたのは30畳ほどある大広間。部屋の入口から見て右側の一番奥に父、大分離れた入口の手前にOGの中学生姉妹2人、姉妹の足下に1人で参加した男子中学生の合計4人。

父兄と小学生は壁で隔たれた隣室に寝ていたそうだ。

夜も更けてみんなが深い眠りに落ちた頃、廊下で何やら声がしていた。父の部屋の入口は暑さで開けっ放しの為、廊下の声が入ってくる。

「マ、マー、マ、マー、マ、マー…」

小さい女の子が母親を呼ぶか細い声だ。参加者の中に父兄が不参加だった子供が何人かいる。

そんな子供の内、誰かが夜中のトイレに起きて怖さのあまり、来てない母親の姿を探しているのだと父は思った。

だが子供の声は一向に止む気配がない、隣室の誰かが面倒を見ている様子でもない。

「マ、マー、ママー、ママー、ママー…」

『ママーーーーーーーッッッッ!!!』


680:2/3:2009/07/25(土)23:41:04ID:oIwaIgZdO
突如、父の寝ている部屋中に、その子供の叫び声が響き渡る。あまりの出来事に驚いた父は、声のする方へ言葉をかけた。

「お母さん探してるのかー?」

「…………」

返事がないので入口へ目をやると、確かに誰かが廊下に立っている。

背後から廊下の照明に照らされて容姿が真っ暗でよく見えない。遠目に父が確認できたのは背丈が1m程で3~4歳位、おかっぱ頭の。声も考えると幼女だろう。

そして黒い子供はそのままサッと霧の様に、一瞬で姿を消してしまった。

姿が消えた直後、部屋の中からすすり泣く声が聞こえてきた。入口手前に寝ていた中学生姉妹の妹だ。

彼女は子供を目の前に見ていた。それが消え去った安心感と、現実離れした恐怖でセキを切ったように泣き出した。

妹の足下にいた男子中学生はまともに子供の姿を見てしまい、布団を被ってガタガタと震えていた。

父は念のため廊下に出て子供の姿を探した、しかしそれらしい姿は見えない。父は探すのを諦めて朝まで眠った。

翌日の朝食時、父は昨晩のことを参加者達へ訪ねた。父兄や子供達からは回答はなく、該当者も見つからなかった。そして練習後に合宿は解散し、父は我が家へ帰宅。

父が「人生6X年間生きてきて、初めて恐怖体験したぞ~w」とビールを片手に上機嫌で話すので、笑い話と勘違いしたのはいい思い出www


681:3/3:2009/07/25(土)23:43:49ID:oIwaIgZdO

~後日談~

◆合宿後、施設を手配した父兄のオバサンから聞いた話。昔々、温泉では源泉が枯渇しかけた時に幼児を人柱に立てて埋めた。鎮魂(ちんこん)するために碑も建てられた(私も実際に確認済み)

上記の話を施設の職員に聞いたオバサンは、自分の孫(幼稚園児)も参加させたかったけど取り止めたそうだ。
(オバサン事前に話せよw)

◆男子中学生の話。
彼は子供の姿をまともに見たけど、真っ黒なだけで顔立ちも服装も何もわからなかった。

父から話を聞いて、人柱の子供の霊ならママと呼ばないと思った。ちなみに姉妹の姉は爆睡で怪異に気付かなかったってwww

慣れない上に長文駄文で失礼…


引用元:https://5ch.net/