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264: XXX ◆TqnDIIRxZU :2009/02/13(金) 22:42:32 ID:hoi9TXSN

俺は三つ目の勤め先を、わずか3ヶ月で退職することとなった。 
俺が大きなミスしたわけでは無い。人事担当は昨今の不況の影響が、
とか言っていたがそんなことに本当の理由は無いのは俺も察している。 

先々月、出社途中の俺の目の前で車が炎上する交通事故が起こった。
先月は、昼休みに目の前でお局が不倫の果てのダイブを果たした。 
前の勤め先からも不穏な噂が聞こえてきて、人事も動かざるを得なくなったのだろう。 

俺は不幸を呼ぶのである。 

学生の頃は大したことは無かった、俺の周囲でよく人が転んだり、物が壊れたりする程度だった。 
その不幸がその場で俺に影響することは無かったが、必ず俺は“それ”を目撃した。 
問題は、成人してから段々不幸が激しさを増してきたことだ。二十代半ばを過ぎてからは、
1ヶ月に一度は“人死に”を目撃するようになってきた。最近は殺人が増えてきてる気さえする。 
いっそ完全にノータッチを決め込められれば楽なのだが、必ず目撃するので、
それがばれると事情聴取やら、裁判の証人やらで仕事も手につかない。 

何はともあれ、次の仕事を捜さないことには俺が“人死に”してしまう。 
見るのは段々慣れてきたが、体験するのはまっぴらだ。 
しかし、いくら仕事を探しても、不特定の不幸を呼びよせる男に就職先などあるはずもない。 
俺は段々自暴自棄になっていた。 

「いっそ、手を翳したら相手が死ぬとかなら、まだ殺し屋にでもなれるのに…………そうか!」 


一年後、俺はすっかり手慣れた風に仕事をしていた。 
「犯人はあなただ!Aさん!自分の心は誤魔化せても、この名探偵Mの目は誤魔化せない!」 

未だに自分で言ってて吹き出しそうになる。
それはそうだ、なんせ俺は必ず“それ”を目撃するんだから。 


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