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108: 創る名無しに見る名無し:2010/10/11(月) 10:21:03 ID:k/h3yTWi

今は何時なのか、ここはどこなのか、そんなことは分からない。 
ただ一つ分かっていること、それは毎日が戦争であるということ。 
生きるために、戦わなければならない。戦わなければ死ぬだけだ。 
そしてこの戦争には終わりがない。もし終わりがあるとすれば、 
それは私が死ぬ時だ。 

私は何時生まれたのか記憶がない。もっとも、それは誰だって同じだろう。 
両親の顔は覚えていない。兄弟はたくさんいた。 
しかしおそらくもうみんな戦死しているだろう。 

私はこれまで無数の仲間が死んでいく様子をこの目で見てきた。 
完全に油断してやられる者、敵から長時間必死で逃げ惑った末に 
結局はやられてしまった者などどれも目を覆いたくなる光景だった。 
やられた者は皆例外なく白い布で覆われた。 
なぜなのかは分からない。敵なりの弔いなのかもしれない。 

最近はこれまでの旧式武器とともに、敵は最新式毒ガスを使ってくるようだ。 
ガスを吸ってしまうと意識が遠くなっていき、やがて死に至る。おそろしい兵器だ。 
だが旧式武器でやられるよりもこっちでやられる方が案外楽なのかもしれない。 

もうずっと何も口にしていない。動くのも辛くなってきた。 
私は意を決して敵に飛び込み、食料を盗むことにした。 
なーに、心配は要らない。慣れている。私は戦争をするために生まれてきた 
ようなものだから。幸い敵は気付いていない。私はありったけの食料を盗み 
その場で食らい尽くした。やっぱり旨い。 

これであと3日は食わなくても平気だろう。 
急いで見つからないようにその場を去ろうとした時だった。 
「パーン」という乾いた音ともに鈍い痛みが走った。 
とうとう私もやられたらしい。ついに私も死ぬのか… 戦争は終わりだ…。 
薄れ行く意識の中私にも白い布が被せられようとしている。 
視界が遮られる直前、敵の仕留めた、という優越感に浸る顔と同時に 
旧式武器についてしまった血を「汚らしい」という目でふき取る敵の顔が見えた。 

しかし、全くおかしなやつらだ… 
武器についた血は確かに私の体から吹き出たものだが、 
その血はまぎれもなくやつらのものであるというのに…。 



110: メス豚:2010/10/13(水) 23:54:05 ID:n6qTztoC
>108 
とても文章が上手いし、オチもいいですねー 
蚊かな?白い布はティッシュかな 
オチがパッとわかれば最高でした 


引用元:https://5ch.net/