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29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/07/21(日) 13:30:50.82 ID:uH6mbzLG0
エヌ氏は精神科の院長を務めている。小さい町だがそこそこ繁盛していて客からの信頼も厚かった。 
ある日、エヌ氏のところに一人の女性がやってきた。 

「先生、あたし、最近よく眠れないの」 

「何かお悩み事でも?」 

「いえ、悪夢です。夢の中で空がだんだんと赤く滲んでいくのです。最後にはあたりが真っ赤になって……」 

エヌ氏は心の中でため息をついた。このところこのような症状の患者ばかりなのだ。 

「おそらくそれは日常生活の中で悩みを抱えているのです。悪夢を見る原因は現実に関係あると言われていますからね。お薬を出しておきます。おだいじに」 

「ええ……ありがとうございました」 

女は浮かない顔で帰っていく。 
まあ薬も出したしもう大丈夫なのだろう。一度この症状で来た患者は二度と来ていない。薬が効いているのだろうな。 
エヌ氏はそう考え、次の日も、その次の日もそのような患者の対応をしていった。 

病院の休館日、エヌ氏が自宅でくつろいでいると呼び鈴が鳴った。 
扉を開けるとスーツ姿の男が二人。エヌ氏は聞いた。 
「何か、ご用でしょうか」 
「逮捕状が来ている。署まで同行を」 

牢獄の中でエヌ氏は呟いた。 

「いやはや、こんなに早くばれるとは思っていなかった。大した実験結果も上げられずに捕まるとはな。まあいい。最後の実験だ」 

エヌ氏は口の中に隠していた小さな袋から白い粉を掌にのせ、それを飲み込み、眠りにつく。 

夢の中では青い空がただただ広がっていた。 
エヌ氏は夢の中で呟く。 
「実験は成功だ」  


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