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94 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/07/21(日) 14:33:24.25 ID:uH6mbzLG0

アール氏は幼いころに母が死に、父親も失踪していたため、両親の顔をよく覚えていなかった。 
そのため、家族が欲しく、妻と結婚するなり、すぐに子供を作った。 
しかし、アール氏の息子はろくでもない奴だった。 
窃盗、暴行、薬物乱用。とにかく何でもし放題で周囲の人間にとても嫌われていた。 

ある日、アール氏が街を歩いていると、ある看板が。そこには『子供勘当手続所』と書かれている。 
横の古い小屋がそうなのだろう。興味を惹かれ、そこに入った。 
中には一人の老人が座っていた。 
「何か御用ですか」 
「いえ、あの、ここって何をする場所なのですか?」 
「これをどうぞ」 
差し出された紙には『勘当方法』と書かれている。箇条書きで『通常』『失踪』『殺処』…… 
「利用規約をお読みの上、その中から好きなものを選んでください。自分と血のつながっている人間にしか効果がありません。大丈夫、他人にはバラしません」 
アール氏は何も考えず、『殺処』を選び、老人に言った。 
「分かりました。近日中には必ず」 
そしてアール氏は帰り、眠りについた。 

数日後、アール氏に知らせが届く。息子が事故で死んだとのことだった。 
これで今までの生活から解放される。世間からの厳しい目もなくなることだろう。 
喜んだアール氏は、夫婦で旅行に行き、十分楽しんだ帰り、妻とはぐれた時に通り魔に殺害されてしまった。 

ちょうどそのころ、『子供勘当手続所』の中では、老人が一人呟いていた。 
「自分の息子を手に負えなくなったからといって殺すとは。あんな奴は勘当だ」 


引用元:https://5ch.net/