長編

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77: 創る名無しに見る名無し:2010/10/02(土) 17:49:59 ID:s53y1xEw

ここは通称「天国の控室」、正式名称は「国立終末介護医療センター」である。 
比較的裕福で身寄りの少ない重病患者が終の棲家として選択する医療機関だ。 
ただ、すでに危篤状態になっている患者はここに入院することは無い。 
なぜなら、寿命を全うするまでの期間たとえそれが数日であろうと、本人の意思で 
至福の時間を過ごす事を目的としているからだ。 

人によっては数年間の長期入院になる事もある。幸せな時間を1日でも多く 
過ごしたいという欲求がその命を永らえるのかもしれない。 
N氏もそんな患者の一人であった。 

「Yさん、ちょっとこちらへ来てくれないか」 
「はいN様」 
そう応えたのは、N氏が入院してからずっと付きっ切りで介護してきたY看護婦だった。
 

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219 : その8[sage] : 2009/12/27(日) 23:13:36 ID:7jwJJ7JM0
その凄惨な格闘が終わり、全ての残骸を暖炉に投げ込んだ後、すぐさま旦那に妻へと電話をさせたらしい。妻はすぐに出た。 
「妻は死んでいた!とかやはりそういうのは心配するだろ、形が形だけに。元気だったけどな。まぁキョトンとしてたな。 
流石に今起きた事は言わなかったけどな。後で旦那が話したかどうかは知らないが… 
でも、流石に全て終わった後に恐怖が襲って来たね。手足とか震えて来てな。彼女はずっと泣いてたな。 
で、1番怖かったのは、彼女が暫くして変な事言い始めたんだよな。何でアレに○○さんですか?と問いかけたのか、と。 
変な事聞くなぁ、と思ったね。顔ははどう見てもあの奥さんなんだから」 

「で、どういう事だったのかな?」 

俺が聞くと、叔父は気味が悪そうにこう言った。 
「よく、自分の形をしたモノの頭にナイフなんて突き立てられたね、って彼女はこう言ったんだよ。 
つまり、彼女にはあの化け物が、俺の姿に見えてたんだよな」 

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215 : その5[sage] : 2009/12/27(日) 23:09:32 ID:7jwJJ7JM0
何とか旦那を説き伏せて、暖かいコーヒーを飲みながら、3人が落ち着いてきたその時。 
旦那の携帯が鳴った。奥さんの声が否が応でも聞こえてきたと言う。ヒステリックな金切り声だ。 

明らかに「殺したの?捧げたの?やったの?」と傍の叔父にも聞こえて来たと言う。 
あんなに温厚に見えた奥さんの方が、実はこの件では主導権を握っていたのだ、と思いゾッとしたと言う。 

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213 : その4[sage] : 2009/12/27(日) 23:07:45 ID:7jwJJ7JM0
映画にもなり、近年リメイクもされたのでご存知の人も多いと思うが、上記でも書いた様に、 
「柳の枝や干し草で作った編み細工の人形を作り、その中に生きたまま人間を閉じ込めて、火をつけて焼き殺し、神に捧げる」 
と言うおぞましい秘儀が、古代ドルイドの祭儀であるのだ。 
それを英語では「ウィッカーマン(wicker man)」、編み細工(wick)で出来た人型の構造物、と言うらしい。 

【【呪い】お隣さんの別荘に遊びに行った。→気づいたら宗教の生贄にされていて・・・(その2)】の続きを読む

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211 : その1[sage] : 2009/12/27(日) 23:05:16 ID:7jwJJ7JM0
【ドルイド信仰】 
ドルイドとは、ケルト人社会における祭司のこと。Daru-vid「オーク(ブナ科の植物)の賢者」の意味。 
ドルイドの宗教上の特徴の一つは、森や木々との関係である。ドルイドはヤドリギの巻きついたオークの木の下で儀式を執り行っていた。 
柳の枝や干し草で作った編み細工の人形を作り、その中に生きたまま人間を閉じ込めて、火をつけて焼き殺し、その命を神に奉げるという、人身御供の祭儀も行っていた。 
刑罰の一種として、森林を違法に伐採した場合、樹木に負わせた傷と同じ傷を犯人に負わせて木に縛り付け、樹木が許してくれるまで磔にするという刑罰もあった。 


自分の叔父は、仕事柄、船で海外に行く事が多かった。詳しい事は言えないが、いわゆる技術士だ。 
1年の6~7割は海外(特に北欧)で仕事をしている様な人で、日本に帰って来ている時は良く遊んでもらったものだ。 
今は既婚で、引退して悠々自適な生活を送っており、知識も豊富でバイタリティ溢れる快男児だ。 
その叔父に、こんな恐ろしい話を聞いた。 

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